品質検査技術・磁粉探傷試験(MT)

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鉄鋼製品の品質を確認する方法として、非破壊試験があります。非破壊試験とは、素材や製品を破壊せずに、”きず”の有無、その存在位置、大きさ、形状、分布状態などを調べる試験です。材質試験などに応用されることもあり、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、超音波探傷試験、放射線透過試験、過電流探傷試験などがありますが、今回は「磁粉探傷試験(じふんたんしょうしけん MT:Magnetic Particle Testing)」についてご紹介いたします。

欠陥である製品表面の「きず」を視覚化させて検査するという点では「浸透探傷試験(PT)」と似ている検査方法ですが根本的な原理は異なります。

特に異なるのが、適用できる試験体の材質が強磁性体に限定される点です。

強磁性体とは、簡単に説明すると磁石が付く材質となりますので、非磁性体と呼ばれる一般的なオーステナイト系ステンレス鋼やアルミニウム等には適用できません。

「磁粉探傷試験(MT)」
によって検出できるのは、まず、「浸透探傷試験(PT)」と同様に試験体表面に開口した「きず」となります。

加えて、「磁粉探傷試験(MT)」は、表層部と呼ばれる試験体表面に近い2~3mm程度の内在する欠陥も検出可能なのが特長です。

その行程は、まず特殊な設備を用いて試験体に磁化電流を流して、試験体自体を磁化させます。

試験体を磁化させることで、その内部に磁束(じそく)線と呼ばれる磁気の流れが発生します。

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磁束線は表面および表面直下の比較的浅い部分に「きず」があると、それを避けるような形に広がって流れ、表面上の空間に漏れ出します。

この「きず」部の空間に漏洩する磁束を漏えい磁束(ろうえいじそく)と呼びます。(図 1参照)

試験体が磁気を帯びている状態で試験体表面に磁粉を適用すると漏えい磁束部分に磁粉が付着し、「きず」が拡大され磁粉模様として現れます。(図 2参照)

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以下の画像は、意図的に欠陥を再現した被試験体に対して、蛍光磁粉を含んだ検査液により「磁粉探傷試験(MT)」を行ったものです。

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蛍光磁粉を使用する場合には、20Lx以下の暗い場所にて、ブラックライト(紫外線)を用いて検査を行います。暗い場所を用意しにくい場合のために、可視光線(明るさ500Lx以上)の下で磁粉模様を観察するための非蛍光磁粉(白、黒、赤色の磁粉)もあります。

また、試験方法におきましても軸通電法、直角通電法、プロッド法、電流貫通法、コイル法、極間法、磁束貫通法等と呼ばれる数種類があります。

以下は、極間法の「磁粉探傷試験(MT)」状況です。

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ベンカン機工では、試験体や実施環境を考慮して、様々な方法を選択し、組み合わせることで適切な試験を実施しております。

ベンカン機工では、日本産業規格(Japanese Industries Standards :略称JIS)又はアメリカ非破壊検査協会(The American Society for Nondestructive Testing :略称ASNT)に基づいて品質検査技術と管理体制を構築しており、高品質な製品をご提供しております。

各種試験に関して、様々なお客様のご要望にお応えすることが可能ですので、営業担当または、営業窓口へお気軽にご相談ください。

Webでのお問い合わせ

大阪工場 品質保証課 検査グループ

技術本部 技術部

 

 

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