品質検査技術・超音波探傷試験(UT)

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鉄鋼製品の品質を確認する方法として、非破壊試験があります。非破壊試験とは、素材や製品を破壊せずに、”きず”の有無、その存在位置、大きさ、形状、分布状態などを調べる試験です。材質試験などに応用されることもあり、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、超音波探傷試験、放射線透過試験、過電流探傷試験などがありますが、今回は「超音波探傷試験(ちょうおんぱたんしょうしけん UT:Ultrasonic Testing)」についてご紹介いたします。同じ非破壊試験の中でも、「浸透探傷試験(PT)」「磁粉探傷試験(MT)」は、試験体の表面や表層部に存在する〝きず〝を測定する方法でした。

対して「超音波探傷試験(UT)」は、超音波を利用して主に鉄鋼材料の試験体内部に存在する〝きず〝を検出する試験方法です。

試験には、探触子(たんしょくし)と呼ばれる超音波を発信したり受信したりする装置を用います。

通常、探触子から発信された超音波ビーム(送信パルス)は、試験体表面から内部を通り、試験体底面に届き反射(底面エコー)して戻り受信されます。

ところが、試験体内部に「欠陥(きず)」が存在すると超音波が底面に届く前に〝欠陥〝に当たり、その個所から反射(欠陥エコー)して戻り受信されます。

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図-1 超音波探傷試験の例

「超音波探傷試験(UT)」は、超音波の反射をエコー(echo)と呼びます通り、例えてみると、〝やまびこ〝の原理の様なものです。

次に超音波についてご説明しますが、例えば、太鼓を叩くと太鼓の皮が振動し、音は、周りの空気を強く押したり弱く押したりして広がっていきますが、この濃い、薄い空気の波を音波と言います。

また、1秒間に何回振動するかを表した数を振動数(周波数)と言い、人間の耳で聞くことができる音波は、20~20,000 Hz (Hz=ヘルツと読み、1秒間に振動する回数を示す単位)ですが、それよりも周波数の高い音波を超音波と言います。

超音波探傷試験では1~5MHz(1,000,000~5,000,000 Hz)の周波数で探傷します。

水晶のような圧電材料(振動子)に電圧を加える事により圧電材料が振動し、この振動を利用して「超音波探傷試験(UT)」を行っている訳です。

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図-2 探触子  

試験は、あらかじめ寸法が分かっている標準試験片を用いて探傷装置の調整を行い、その後試験を実施します。

超音波を鋼材に伝搬させるために鋼材表面に油やグリセリン或いは水といった液体を介して超音波探触子から鋼材に超音波を伝えます。

内部に存在する〝きず〝の形状や伝搬する超音波、また〝きず〝の角度によって反射する超音波の音圧が異なるので、〝きず〝を評価する際には十分注意が必要になります。

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探傷試験の様子

超音波探傷器に併設されているモニターを用いて、試験体表面から底面までの距離を確認しておく事によって内部に存在する〝きず〝の有無だけでは無く、その深さまで特定する事が可能です。

底面までの時間軸(距離)より手前に存在する反射した超音波の立ち上がり位置を測定し試験体表面からの深さを特定します。

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探傷器の表示例

実際の「超音波探傷試験(UT)」を行い試験体の合否判定を行うためには、試験方法と判定基準(対比される試験片の人工きず寸法など)を明確にしておく必要があります。

参考までに超音波厚さ計と呼ばれる超音波を用いた厚さ測定器も同様の原理で使用されています。

参考:JIS G 0582  鋼管の自動超音波探傷検査方法

以上の「超音波探傷試験(UT)」以外にも、試験体や実施環境を考慮して、様々な方法を選択し、組み合わせることで適切な試験を実施しております。

各種試験に関して、様々なお客様のご要望にお応えすることが可能ですので、営業担当または、溶接式管継手関連営業窓口へ、お気軽にご相談ください。

Webでのお問い合わせ

桐生工場 品質保証課 山田

浸透探傷試験(PT) 

磁粉探傷試験(MT)

 

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