FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析とは
ベンカン機工では、古くよりFEM(Finite Element Method:有限要素法)解析を活用し、弊社製の汎用製品から特殊用途で用いられる継手製品の性能へフィードバックしています。主な用途として、成形加工と耐圧性能等の設計になります。特に耐圧性能は、継手製品にとって最も重要な性能であるとベンカン機工では考えています。
耐圧性能設計の方法として、実際の製品で水圧試験を実施する方法が用いられます。これは耐圧設計圧力下での継手の挙動(一定時間圧力に耐え、漏れが無いこと)を確認し、時には設計破裂圧力以上の加圧および破裂までの昇圧を行うこともあります。
実体試験のため、実際の圧力挙動を評価できますが、結果を得るための工数(製品製造、水圧試験体の組立、水圧試験等)が大きく、時間およびコスト面でのデメリットがあります。また、試験結果で設計変更が生じた場合の再検証となると、更に時間とコストに影響を与えます。
その他関連規格では、計算による形状設計等もありますが、それぞれ一長一短です。特に高圧の耐圧性能となると必要以上に継手本体厚さが厚肉傾向になり、継手の製造難易度のアップや有効内径の縮小による流量への影響などが懸念されます。
そこでベンカン機工では、FEM解析を用いた設計をお勧めしています。適用規格に沿った設計を我々選任スタッフが行います。それに加え、我々が蓄積している継手に関する技術を加えることで、施工しやすい等のメリットをご提供いたします。
設計した継手の製造も喜んでお受けいたします。材料調達から継手製造、試験・検査はもちろんのこと、弊社でのエンドユーザー様を迎えての製品立会にも対応いたします。
サービス内容
- FEM解析を用いた管継手等の配管部材の設計サポート
▻ 特殊形状の管継手設計(高圧環境、鋳物製配管部材からのリプレース 等)
▻ 既設管継手の耐圧性能評価
▻ 特殊継手の製造(材料調達~製造~試験・検査~出荷までサポート) - 設計の確認(サードパーティーとして比較対象の設計)
- 弊社保有技術と組み合わせることで様々な対応が可能です
熱処理(大型熱処理炉)、各種機械試験、3Dスキャナー等(選択対応も可能)
進行モデルケース
- コンサルティング(お打合せ)モデル化から解析結果の評価に至るまで管継手メーカーの経験を生かしてアドバイスします。
- 解析用モデル(3D)作成一般図、各種図面から解析用の形状を作図します。配管部材に関する規格(ASME B31シリーズ等)に基づいた解析も可能です。
- 解析・計算評価計算結果の分析及び評価まで実施します。
メッシュ数の調整や使用条件設定をご相談の上、設計をサポートします。 - 解析結果報告計算書又は報告書を作成し、様々なご提案を行います。
- 製品の製造弊社で管継手等の製造をご依頼頂ければ、設計条件等を反映した上でのご提供が可能です。
解析内容
弾性FEM解析
管継手の変形や応力状態を求め、配管部材の健全性や補強方法の検討を行います。
弾塑性FEM解析
降伏点以上の応力が掛かる場合の評価を行い、安全性に対する検討を行います。
最近の解析実績
解析事例
塑性加工TEEの変形量解析
鍛造削りTEEの応力解析
水圧試験の比較検証
FEMによる継手の解析事例
解析環境
Mecway FEA
- File formats : LIML, STEP, STL, DXF, UNV, Gmsh, INP
- Solver : CalculiX
対応規格
- ASME B16.5, B16.9, B16.11, B16.25, B31.1, B31.3, B31.4, B31.8
- ASME Boiler and Pressure Vessel Code (BPVC) Section II
- ASME Boiler and Pressure Vessel Code (BPVC) Section VIII div. 1 & 2
- JIS