
職場でのストレスの多くは、〝人との関わり〝によるものです。
前回、人にストレスを感じるのは、自分が相手に望むことの〝理想と現実のギャップ〝によるもので、その解消には、まず「相手を受け入れること」が大切だとご紹介させていただきました。
今回は、もう一歩踏み込んで、では「相手を受け入れる」とはどういうことなのか、そして実際に何をどうすればいいか、考えてみたいと思います。
〝相手を受け入れる〝とは?
〝相手を受け入れる〝とは、まず自分が相手の話を否定せずに聴き、受け止めることです。
人は受け入れられることを無意識に求めています。マズローの五段階の欲求にある「承認の欲求」です。
自分が話すことを「そうだね。」「わかる、わかる。」と相手が聞いてくれたとしたら・・・この人は自分をわかってくれる、受け止めてくれる、と感じると思いませんか。
職場で自分が信頼している人は、自分の話や意見を頭ごなしに否定せず、聞いてくれる人のはずです。
まず自分が相手の話を否定せずに聴き、受け止めるということが、信頼関係構築にも繋がっていきます。
信頼関係のない人とのコミュニケーションがストレスに
厚生労働省が5年おきに実施している「労働者健康状況調査」(2012年)において、「職場の人間関係の問題」がストレス原因の1位だという結果が出ています。
しかし、人と関わる(コミュニケーションをとる)際、信頼関係がある人や気心が知れた人とのやり取りは、ストレスに感じないと思いませんか。
それは、お互いを知っているためです。仮に、相手と意見に相違があっても、きちんと話し合おうとしますし、意見を聴こうと思うはずです。
逆にいうと、信頼関係が構築出来ていないと、コミュニケーションは取りにくくなります。
そのことから、職場においてストレスを感じる多くは、信頼関係のない人とコミュニケーションをとる時と考えられます。
信頼関係をつくるためには
そうと分かれば、ストレスを減らすには、自分の周りの人たちと信頼関係をつくればいいわけです。
では、どうすればいいか。まずはたくさん接触を持つことです。
挨拶をする、話しかける、相手の意見を聞くなど、これまで以上にいろいろなアクションを投げかけ、相手を知ることです。そしてその際に大切なことが、「相手を受け入れる」ことです。
「相手を受け入れる」のは、先に書いた通り、〝相手の話を否定せずに聴き、受け止める〝ことですが、これが本当に難しい・・・。自分の経験や価値観から反論も出てくるし、もっとこうすればいいのにと意見があるためです。
でもそこはぐっと堪えて、とにかく自分は話さず〝聴く〝ことです。合言葉は〝我慢〝です(笑)。相手はそう考える、そう感じるのだと、事実として認識すると考えて、聴いてみてください。
言いたいことをいうのはそれからです。
でも、聴いたからといって「それは全然違う」「わかってないな」などと言ったら、そこで終了ですので注意してくださいね。
それでも言いたくなったら、大事なのは「言い方」
聴いてから自分の意見を言うとしても、全然理解してもらえない、認識が違うなど、相手との意見の相違はよくあることです。そして、双方に想いがあればあるほど、主張がぶつかり合って拗れることも少なくありません。
しかし、違うと思った時や意見がある時は、一旦グッと堪えて相手を受け入れる。そして「○○さんはそう考えているんですね。私はこう思うのですが・・・。」など、否定をせず、相手を受け入れた流れを切らずに、自分の意見を冷静に伝えることが大切です。
相手にだって、想いや立場があって、発言しているのです。
それを尊重する気持ちと態度が大切で、それは必ず相手に伝わります。
確かに相手が何も考えていなかったり、いい加減な時もあります。そんな時だって、相手を尊重するのです。そこでダメだと諦めてしまっては、何の解決にもなりません。
〝聴くこと〝は簡単ではない。だからこそ相手を尊重し、受け止めることを意識し続けましょう
聴くということは「傾聴」という言葉があり、それを習得するための講座があるほど、かなり難しいものです。しかし、意識しないことには始まりません。
是非、相手を受け入れることを意識して接してみてください。自分の意見を押しつけるのではなく、謙虚な気持ちで話を聞かせてもらうという姿勢を持ちましょう。
きっと相手への理解も深まり、二人の関係も変わってくるはずです。
総務企画課 寺岡
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