被処理物の外表面及び内表面に、エアー圧でスティール・ショット粒(小さな鉄の粒)を噴射し、鋳物砂、機械加工バリ、あるいは錆びなどの除去を行う表面加工のことを「ショットブラスト」といいます。
鋼製の高圧ガス容器の熱間加工や熱処理で発生するスケールに対しても、このショットブラストを行います。
今回は、長尺容器の実際の画像をお見せしながら、ショットブラストをなぜ行うのかを解説したいと思います。
鋼を570℃以上に加熱すると空気中の酸素と結合し、酸化鉄をつくる現象によって、スケールといわれる被膜が生成されます。スケールは、650℃付近から発生し始め、900℃以上になると急激に厚さが増加します。また、加熱時間の影響も大きく、高温での保持時間と共にさらに厚さが増していきます。
スケールは、3層から生成されており、母材側からFeO(酸化鉄)、Fe3O4(四酸化三鉄)、Fe2O3(酸化第二鉄)の構造になっています。
簡単に言うと、鋼製の製品表面に付着する”かさぶた”みたいなものですが、スケールが付着した状態で鋼製容器を加工すると金型等で押込み疵が発生してしまいます。
また、スケールを除去しないと塗装や防錆剤を塗布できない(そのまま塗装すると塗膜が剥離します。)ため、外観不良の原因となるので除去する必要があります。
ショット前(左)とショット後(右)
一般的にスケールが生成するのは表面層0.3~0.5mm程度となりますので、母層に影響はありません。(厳密にいうと、表面層から脱炭や窒化等が発生し、局部的な強度や成分の変化等が用途によっては、不具合の要因となる可能性はあります。)
こういったことから、鋼製の高圧ガス容器を製造する上で、内面及び外面ショットブラストは重要な役割を果たしています。
尼崎工場 品質保証課
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