アルミニウムの特徴として、「軽くて加工しやすいが、強度が低い」「熱伝導性が良い」「低温でも靭性が下がらないため、液体水素の-252.7℃のような極低温での使用にも適している」「大気中の酸素と反応して酸化被膜が形成されるため耐候性に優れるが、酸性やアルカリ性の環境下では酸化皮膜が破壊されてしまい、特に塩化物イオンやアルカリ環境には弱い性質を持っている」といった点が挙げられます。
また、強度が低いという欠点を補うために、Mg、Si、Cu(銅)、Zn(亜鉛)を添加して、一般的な炭素鋼の1.5倍もの引張強度を持たせた超々ジュラルミンと呼ばれるアルミニウム合金の材料もあります。
管継手に使用される主な材質としては、純アルミニウムの1000系や、Mg(マグネシウム)が添加された5000系、Si(シリコン)、Mg が含まれた6000系のアルミニウム合金があります。
材質記号としては、A1070、A5083、A5052、A6061などです。
記号説明として、アルミニウムを表すAの後に続く4桁の数字(○○○○)の部分で、アルミニウムの種類が判断できます。
1000系は、純アルミニウムであり、下二桁は純度を表します。例えば、A1070は99.7パーセント以上の純度であることを意味します。
5000系は、Mg が添加されることで耐食性と強度を高めた合金で、A5052、A5083が管継手材質としてはメジャーです。Mg の添加は耐孔食性能の向上に寄与し、酸化皮膜の形成を促進させる作用がありますので、海水にも強いと言われています。
6000系は、Si、Mg が含まれ、強度や耐食性が優れています。T6処理と言われている熱処理(固溶させたCu、Mgを時効処理で析出させる)により強度が向上します。A6061T6では、引張強さが310MPa以上となり、強度と耐食性のバランスに優れています。
アルミニウム 及び アルミニウム合金製管継手は、船舶、海洋構造物、化学プラントなど、多岐にわたって使用される材質ですが、下記の理由から溶接が難しいとも言われています。
・融点が低いことから、熱によって溶けやすい
・熱伝導率が高いことから、熱によって歪みやすい
・融点が非常に高い酸化皮膜が生成される
・溶接金属内に入り込んだガスが凝固時に大気中へ放出されず,溶接金属内に閉じ込められて生じるブローホール(溶接部の強度低下を起こす)が発生しやすい。
このような難材でも、ベンカン機工では、棒からの削り出し、シームレスパイプから塑性加工した「継目無管継手」、大径の管継手の場合には、板から溶接により製造する管継手など、様々な対応が可能です。
多数の製造実績を有しておりますので、安心してお任せください。
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