学生フォーミュラカーの試験支援2022

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ベンカン機工の溶接式管継手製品の検査の一つに「放射線透過試験( RT:Radiographic Testing)」があります。

今回、京都工芸繊維大学の学生フォーミュラチーム“Grandelfino”から、フォーミュラカーの車体溶接部の評価のためRT試験をやってほしいとのご依頼をいただき、大阪工場で実施させていただくこととなりました。

その模様をご紹介いたします。

「学生フォーミュラ」とは、公益社団法人自動車技術会主催の取り組みで、大学ごとにレーシングマシンを製作し、その設計、性能、スピードなどを総合評価で競う大会を通じて、ものづくりの楽しさに触れる場を提供し、創造性に満ちた技術者育成を目指すものです。

※京都工芸繊維大学 学生フォーミュラプロジェクト“Grandelfino”(グランデルフィーノ)2022年度マシン

今回、ベンカン機工にお声掛けくださった京都工芸繊維大学は、学生フォーミュラの強豪校の1校で、毎年チーム一丸となって製作、改善に取り組まれています。その一環として、マシン本体の一部に施している溶接部分の強度を検査したいとのことから、RT試験の出来る弊社にお問い合わせいただいたというのが経緯です。

思わぬところからのお問い合わせに驚きましたが、そんな楽しそうな取り組みに協力させていただけるなど、ワクワクしかありません。そんな学生の取り組みには積極的に協力をとの社内協議を経て、会社を挙げて全面協力させていただくこととなりました。

       後列:大阪工場の木村、菊地、臼杵(技術本部)、出口、大森(製造本部)、吉村                                                   前列:京都工芸繊維大学 学生フォーミュラプロジェクト“Grandelfino”の                          西村さん、森本さん、吉田さん、日比野さん

今回の依頼は、車体溶接個所をモデルとした試験片でのRT試験です。

対象品は、MagまたはTIG溶接による鋼板およびパイプ同士を突合せ溶接したものを準備しました。

フォーミュラカーが来るわけではないのか・・・と幾分残念な気持ちにはなりましたが、工場内でRT試験を行い、実際の試験片と試験結果を照らし合わせながら、検査員が評価とその説明をさせていただきました。

今回のRT試験の結果により、溶接の施工・管理に課題があることが判りました。学生フォーミュラのレギュレーションでは、検査実績も項目に含まれており、検査結果の資料を提出することも大切な審査対象となるようで、選考資料としてRT試験結果のフィルムを使っていただくようお渡しいたしました。

「何度か区切って溶接するのと一気に直線で連続して溶接するのとでは、どちらが実際強度が高く、しっかり溶接出来ているかを検証したくて今回依頼させていただきました。自分たちでは区切って溶接する方が綺麗に出来るのでこちらの方が溶接出来ていると思っていましたが、結論としては、直線で連続して溶接し、技術向上を図った方が良いということが検査結果からもよくわかりました。」マシン製作担当 西村さん(写真左)

また、溶接に関しては、弊社ではあまり行わない薄い材料での溶接なのですが、熟練の溶接工の技量を見る良い機会とのことで、現場での溶接の実演も行いました。

アテンドしていた従業員の方がいつもと違う溶接に興味津々で食い気味に見ていました(笑)が、学生の方々もプロの溶接を見る良い機会になったのではないかと思います。

検査を終えての感想をプロジェクトリーダーの吉田さんに伺いました。

「これまで自分たちで考えた仮定で物事を進めていたので、今回のようにちゃんと結果を見せていただいて実証出来たことは大きな成果です。来年度は今回の結果を反映して設計もしたいと思いますし、今年に関してもこれから最終調整の中で最大限の努力をしていきたいと思います。本日はありがとうございました。」京都工芸繊維大学 学生フォーミュラプロジェクト“Grandelfino”(グランデルフィーノ)2022年度プロジェクト 吉田リーダー(写真左から2人目)

お役に立てたようで安心いたしました。今後も検査だけに留まらず、溶接に関する支援もお受けすることとし、今回の検査は終了しました。

製造業の会社として、ものづくりの楽しさをお伝えする一助になれればこの上ない喜びです。引き続きサポートしてまいりたいと考えております。

9月の本選がスタートしていて、静的審査と動的審査があるそうです。静的審査でトップ3に入れば、YouTubeで動的審査の走行の様子がLive配信されるそうですが・・・

・コスト審査(車両製作費用の計上をどれだけ正確に行うことができるかの種目)→1位
・プレゼン審査(実際に車両を販売すると仮定し、プランを審査する種目)→1位
・デザイン審査(車両設計にあたりどのような工夫をしたかを審査する種目)→3位以内確定で、FINAL進出!!

と、素晴らしい結果を出されました!特に、プレゼン審査、デザイン審査はチーム史上最も高い順位を獲得することができたようです。

動的審査は本日から開始しており、9月10日(土)の走行大会当日の様子は、YouTubeで中継される予定です。※路面状況や天気など、その場で判断となるため、走行時間は確定されていません。
https://www.youtube.com/channel/UCBiCTrI4NxABhpit_5qA9rA?feature=emb_ch_name_ex

皆さんの努力が最大限に発揮でき、良い結果となるよう願っております。

学生フォーミュラカーの試験支援~報告会~

学生フォーミュラ公式サイト「公式通知&結果」

管理部 総務企画課 寺岡

 

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