このベンカン機工オフィシャルブログでは、過去2回ネック付きエルボに関する投稿を行っていますが、今回はネック付きエルボに限定せず、ネック付き管継手を採用する際のポイントをご紹介致します。
【↓過去ご紹介記事↓】
配管用溶接式管継手 ネック付きエルボ
ネック付き管継手は、配管取替え工事の際に切断された直管部について、復旧時にその切断された直管長さ分を管継手のネックで確保するための用途として多く採用されています。
その他の用途として
- バルブ、フランジ等の配管部品を接続するための直管部を設けたい。その際の、短管が不要かつ周溶接個所が減らせます。
- 組み立てた配管の耐圧試験の際、閉止板を取り付けるための余長部を設けたい。
- 自動溶接を採用しやすくするため、直管部を設けたい。
- 周溶接部の斜角超音波探傷試験で走査しやすくしたい(欠陥位置を判りやすくしたい)。
- 特殊曲率Rのエルボの取替えをしたいが、面間寸法が合わないのでネックで確保したい。
- ベンド管だと曲管~直管部の境界部の管形状の楕円が気になる(流体抵抗になる)。
- 長いシーニング部を確保したい。
等が挙げられます。ネック付き管継手の採用は、これらの仕様・要望を可能とすることができます。
ネック付きエルボ・管継手を検討する際のポイントは以下の通りです。
ネック付き管継手は、管継手の日本産業規格(JIS規格:JIS B 2312 配管用鋼製突合せ溶接式管継手等)に規定されています。
- 片端ネック、各端部のネック長さが異なるケースもJIS規格で許容されています。また、これらの仕様にも対応可能です。
- エルボ以外にも、T、レジューサおよびキャップもネック付き対応が可能です。
- JISマークにも対応可能です(事前問い合わせ要)
1.ネック長さは、引合い時に指定,問い合わせください。
【参考ブログ】配管用溶接式管継手 ネック付きエルボ
2.ネック部の識別のためのマーキング等のオプション設定は可能です。
- ネック長さの表示(標準):ネック部にステンシル表示を行います。
- 特殊な表示も可能:例「PLANT SIDE」、流体方向を示す矢印「➡」、顧客殿コード等
- 色識別(ペイント、シール等)、設定位置でのアイマーク、ケガキ線等
3.耐圧試験後にネック部を切断し、通常の管継手として開先加工は可能です。
- ネック~本体部間は、継手製法によっては顧客殿での再開先加工が困難な場合があります。よって事前に最終用途及び予定される加工を引合い時にご指定頂くことで、あらかじめ開先加工を施した状態でお客様(現場)へ納入することが可能です。
- 耐圧試験等の後、弊社へ再送付していただければ、開先再加工は可能です。面間寸法及びセンター位置の精度は、現地加工よりアップします。
- 弊社での管継手単体での耐圧試験及びプレファブにも対応しています。
【参考ブログ】配管プレファブ 、 配管プレファブ事例写真集 - FEM解析による設計確認にも対応しています。☞詳細:FEM(有限要素法)受託解析サービス
現在、エネルギー高を背景にプラントの高能率化、老朽化対策およびエネルギー不足への対応等が迫られています。
また、異常気象による気象変動が大きく、急な需要変動に対応すべく、予想以上に短い期間での定期修理等に対応する必要もあります。ネック付き管継手の採用は,過去のブログ及び前述のとおり、工期短縮等の手段の一つになると思われます。
他にもここでご紹介していない事案、技術もございますので、詳細は溶接式管継手関連営業窓口までお気軽にご相談ください。
プロジェクト営業部 東日本営業課(東京)TEL:(03)3777-1521
プロジェクト営業部 西日本営業課(大阪)TEL:(06)6482-1851
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