昨年、京都工芸繊維大学の学生フォーミュラチーム“Grandelfino”から、フォーミュラカーの車体溶接部の評価のため「放射線透過試験( RT:Radiographic Testing)」をやってほしいとのご依頼をいただき、大阪工場で実施させていただきました。
今回練習するのは、板とパイプのTig溶接です。アルミ溶接担当の川島さんと炭素鋼溶接担当の長谷川さんがいらっしゃいました。当社からは継手の溶接を担当しているFWグループのベテラン溶接士が指導に当たらせていただきました。
練習を始めて少しして、教えている溶接工に学生の腕前についての感想を聞いてみると”慣れてるね。センスを持っている。”ということでした。これまでにかなり練習されてこられたそうで、その成果を発揮されているようでした。
炭素鋼の溶接については早い段階で概ねOKとなり、練習の多くを難しいアルミの溶接練習に費やしました。
アルミは融点が低く、内部欠陥が起こりやすいため、溶接が非常に難しい素材です。弊社のアルミ製品製造でもその難しさを実感しています。それを薄い板で溶接するのですから難しくて当然です。何度も何度も懸命に練習をなさっていました。
Grandelfinoは、総勢約70名にも及ぶ大きなチームです。しかしマシンの溶接を実質担当しているのはこのお二人ともう一人だそうで、責任重大だとおっしゃっていました。確かにやりがいはあるけれどプレッシャーも大きいものと思います。お二人にもっと上手くなっていただきたいという想いがより強くなりました。
朝10時にスタートした練習は、16時過ぎで終了となりました。
作業場から戻りながら、長谷川さんに溶接士が腕前を褒めていたことをお伝えすると、「僕たちも結構練習してきたので。でもやはりプロの方の溶接は綺麗でした。」と自信を覗かせながら、弊社へのお褒めの言葉もいただきました。
1日の練習を終えての感想を最後に改めてお聞きしました。
「溶接は歴代の先輩方に教えてもらうスタイルでこれまでやってきましたが、プロの方に教えてもらったことはなかったのでとても良い機会となりました。1日でしたが押さえるべきポイントも教えていただいたので、これを念頭において製作したいと思います。ありがとうございました。」マシン製作 アルミ溶接担当 川島さん(写真左)
お役に立てたようで安心いたしました。この練習の成果がマシンに少しでも反映されればこれほど嬉しいことはありません。
今後は5月頃にマシン溶接部のRT試験を実施させていただく予定です。
今年もしっかり応援させていただきます!また状況含めご紹介したいと思います。
管理部 総務企画課 寺岡
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